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鳥筆100「線の記憶」
書くという行為の瞬間が、記憶となる。
本作《鳥筆100「線の記憶」》は、筆と身体の動きを映像として記録し、書作品と共に発表した。2012年、スペイン・レウスのCentre d’Art Cal Massóにて、世界一周の旅の途中に開催した個展で発表され、重要な節目となった。
【会場写真】


《鳥筆100》「線の記憶」展示風景
世界一周の旅の途中、100本の鳥筆で書かれた作品と映像を展示。空間に浮かぶ記憶のように、線と記録が静かに交差する。
Centre d'Art Cal Massó(レウス・スペイン)、2012


《鳥筆100》シリーズ「風」では、100本の筆で同じ一文字を書き、筆ごとの線の違いを可視化した。本展「線の記憶」では、筆に寄り添う言葉を選び、その響きとともに線を構成している。すべての作品に映像を添え、書かれる「瞬間」そのものを静かに記録した。
書は「瞬間の芸術」と言われる。だが、そこに残るのは、書かれた後の痕跡だけである。「線の記憶」は、書かれる時間、筆の動き、そして〈間〉に宿る気配――目には見えないそれらを、映像とともに静かに留めようとした試みである。
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