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HOME書の世界 インスタレーション作品 >代表作ー《Outline》

《Outline》

空間を埋め尽くす文字。

本作《Outline》は、2007年「第13回尖展」に招待作家として出品された大規模なインスタレーションである。京都市美術館の一室全体をびっしりと文字で覆い尽くし、空間全体を文字の海へと変容させた。書く行為そのものに専念するため、作家自身が創出した意味を持たない言語列が用いられ、日本語の文法を保持しながらも意味を逸脱する構造となっている。観る者を包み込む没入的な構成により、書を読むものから感じるものへと拡張する重要な作品である。

【会場写真】

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高さ 1000 cm × 幅 114 cm × 17枚(天井)

高さ 700 cm × 幅 114 cm × 14枚(壁面)

高さ 500 cm × 幅 114 cm × 10枚(壁面出入口)

墨、ファイユ

《Outline》

天井から壁面、出入口へと連なる長大な面が、新たな空間を形づくる構成。​

初出:「第13回尖展」 招待作家|京都市美術館(京都・日本)/2007.4

作品説明

【作品説明】

圧倒的な書の量が、示すものは何か。

ー満たしたのは、空間だけではない。

《Outline》は、美術館の一室全体を「書」の空間へと変容させるために構想された没入型インスタレーションである。200メートルに及ぶ布に文字をびっしりと書き込み、高さ5メートル、壁面10メートルの空間を覆い尽くした。

圧倒的な量によって、個々の文字は意味や形を失い、精緻な幾何学模様のようなパターンへと変化する。意味は剥ぎ取られ、視線は「読む」ことから「見る」ことへと移行する。

本作は、ただ「書く」という行為に専念することから出発している。その身体的所作に全身を委ね、書く行為そのものが空間の構造となるとき、そこに何が立ち現れるのかを探る。感情や物語を排した中立的な場として、線とリズム、そして空間的な存在感だけが純粋に立ち上がるのである。

作品写真

【作品写真】

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【この作品の招待・再展示】

アステ川西

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2007.9
「木村翼沙書展」
会場:アステ川西(兵庫・日本)
区分:再展示(個展)
ーパブリックスペースでの単独展示として構成。

【会場写真】

高さ 1000 cm × 幅 114 cm × 3枚(布)

高さ 700 cm × 幅 114 cm × 5枚(布)

素材: 墨、ファイユ

Casa de Cultura

2011.3
「時の痕跡、言葉の痕跡:日本からのアーティスト展」 招待作家
会場:Casa de Cultura(ブエノスアイレス・アルゼンチン)
区分:招待・再展示
ー展覧会の企画方針に基づき展示。

【会場写真】

UBC人類学博物館(MOA)

2017.5
TRACES OF WORDS: Art and Calligraphy of Asia
会場:UBC人類学博物館(MOA)(バンクーバー・カナダ)
区分:再展示
ー展覧会の企画方針に基づき展示。

【会場写真】

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