[書道コース(古典研究)]

目次

 

1.古典研究コースの流れ

 

基本を学んだ後、これから皆様に学んでいただく古典研究コースの概要です。書道には、様々な表現があり、形の美しさだけを学ぶのではなく、表現の精神性や時代背景を知ることも大切です。たくさんの表現・技法を知り、より深く書道を学んでください。

 

*点線内は、基本コースで学んだ古典。

​*年表に人名(生没年)が書かれたものは、誰が書いたかわかっている古典。

*古典研究コースでは、ご希望の内容に沿って進めていただきます。

(特別なご希望がなければ、当ページの内容に沿って進めてください。)

2.漢字・「宋の三大家」の行書

 

■漢字・「宋の三大家」の行書(全12回)

 宋時代に入り、書表現は、「精神性が高い」ものへとステージが上がります。その「精神性の高い」といわれる表現とは何かを考え、味わいながら、新しい書法を身につけてください。

 
この画像はパブリックドメインです

(右)人名・蘇軾(そしょく1037-1101)(作品名・「黄州寒食詩巻(こうしゅうかんじきしかん)」より)

*学習のポイント

自由で巧みな筆使い方と造形を味わいましょう。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。ご自身で最後まで練習する事(全臨)をおすすめします。

(左)人名・黄庭堅(こうていけん1045-1105)(作品名・「黄州寒食詩巻跋(こうしゅうかんじきしかんばつ)」より)

*学習のポイント

左右のはらいが大きく華やかなで、また、「多折法」という新しい書法がみられます。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。自身で最後まで練習する事(全臨)をおすすめします。

*「黄州寒食詩巻・跋(こうしゅうかんじきしかん・ばつ)」

蘇軾と黄庭堅は師弟関係であり、師の書に弟子が「跋(ばつ)」を書いたもの。「跋」とは、あとがきのようなもので、蘇軾の作品に黄庭堅があとがきを書き、どちらもそれぞれの特徴がよく表れた、史上稀にみる傑作名筆。

この画像はパブリックドメインです

人名・米芾(べいふつ1051-1107)(作品名・「蜀素帖」(しょくそじょう)」より

*学習のポイント

強弱のある早書きの筆の動きを味わいましょう。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。ご自身で最後までどんどん練習する事(全臨)をおすすめします。

3.仮名・三色紙

 

■仮名・三色紙(全12回)

 「余白の美」を追求した平安仮名表現の稀代の名筆。それぞれの特徴ある「散らし」を学びましょう。

■三色紙の特徴

 書道で学ぶ仮名作品は必ず「和歌」が書かれます。装飾が施された紙(料紙)に歌を散らした三色紙独特の表現は、世界的にも大変珍しい我が国独自の文化といえます。

​*書道で学ぶ仮名作品は平安時代のみです。(画像は参照として各古典の一部。実際は別の箇所を臨書します)

 

「寸松庵色紙」

「升色紙」

​「継色紙」

画像は全てパブリックドメインです

作品名・寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)(伝・紀貫之(きのつらゆき))平安時代

*学習のポイント

落ち着いた趣のある散らしです。三色紙の中で、最も基本となる散らし表現です。

作品名・升色紙(ますしきし)(伝・藤原行成(ふじわらのこうぜい))平安時代

*学習のポイント

仮名の線が織り成す動きのある散らしに注目して練習しましょう。

作品名・継色紙(つぎしきし)(伝・小野道風(おののとうふう))平安時代

*学習のポイント

紙面を大胆に使った散らし・変体仮名の使い方に注目して練習しましょう。

*漢字か仮名のどちらを学ぶか迷っている、或いは、両方学びたいという方へ。

 

■上記コース「仮名・三色紙」(6回)と「漢字・宋代の行書」(6回)の全12回コースがあります。

4.漢字・明末清初

 

■漢字・明末清初の超絶技巧(全12回)

 明末清初の書は、「書のルネッサンス」と呼ばれ、書が「壁面芸術」として「用」から「美(表現)」へとステージが上がります。「明末清初の書の超絶技巧」は、漢字表現のあらゆる可能性を模索したものといえ、代表的な6名の独自の書法を学びます。

 

*12回を1クールとして各課題の回数調整してください

(例:各人4回ずつの2クール/各人6回ずつの3クール/各人2回ずつの1クールなど)

(画像は参照として各人作品の一例。実際は別の作品を臨書します)

 

「王鐸」

「傅山」

「何紹基」

「張瑞図」

「倪元璐」

「呉昌碩」

画像は「北京故宮博物院」ウェブサイトよりhttp://en.dpm.org.cn/collections/

人名・王鐸(おうたく1592-1652)

*学習のポイント

書のルネッサンスの立役者。長条幅におけるあらゆる表現を試みたといえる。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。半切サイズから2尺8尺サイズの紙に臨書することをおすすめします。

人名・傅山(ふざん1607-1684)

*学習のポイント

蔵鋒を巧みに表現している。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。半切サイズから2尺8尺サイズの紙に臨書することをおすすめします。

人名・何紹基(かしょうき1799-1873)

*学習のポイント

弾むような筆使いで動きのある表現。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。半切サイズから2尺8尺サイズの紙に臨書することをおすすめします。

人名・張瑞図(ちょうずいと1570-1640)

*学習のポイント

筆の面を自由に扱いながら勢いのある表現。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。半切サイズから2尺8尺サイズの紙に臨書することをおすすめします。

人名・倪元璐(げいげんろ1594-1644)

*学習のポイント

筆をしならせ、こすりつけたようなかすれが独特の表現。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。半切サイズから2尺8尺サイズの紙に臨書することをおすすめします。

人名・呉昌碩(ごしょうせき1844-1927)

*学習のポイント

中国最後の文人。瀟洒で勢いのある筆使い。

半紙に四文字から六文字ずつ臨書します。半切サイズから2尺8尺サイズの紙に臨書することをおすすめします。

5.漢字・隷書

 

■漢字・隷書と北魏の楷書(全12回)

 隷書は、漢時代の正式書体で、今も謹厳な場面でよく用いられます。(お札や銀行・新聞・お酒など)

​蔵鋒と波磔の表現が特徴的な隷書と唐代以前の楷書の書法を学びます。

 

「曹全碑」

「礼器碑」

「張遷碑」

「乙瑛碑」

「牛橛造像記」

「鄭義下碑」

「曹全碑・礼器碑・張遷碑・鄭義下碑」画像は「国立国会図書館デジタルコレクション」より
​「牛橛造像記」画像は、「書道1 高等学校芸術科用2 東京書籍 平成25年発行分」より

作品名・曹全碑(そうぜんぴ)後漢時代 

作品名・礼器碑(れいきひ)後漢時代

作品名・張遷碑(ちょうせんひ)後漢時代

作品名・乙瑛碑(いつえいひ)後漢時代

*学習のポイント

それぞれの隷書の特徴を味わいながら蔵鋒と波磔を学びましょう。​(「曹全碑・礼器碑・張遷碑」を三大隷書といいます)

作品名・牛橛造像記(ぎゅうけつぞうぞうき)北魏時代 

*学習のポイント

方筆で書かれた楷書の表現を学びましょう。

人名・鄭道昭(ていどうしょう?-516)作品名・鄭義下碑(ていぎかひ)北魏時代 

*学習のポイント

円筆で書かれた楷書の表現を学びましょう。

6.自由課題

 

■ご自身の追求したい課題を学びます。1クール12回を更新してください。

例えば、これまで学んだ古典や人物は、それぞれほんの一部です。もっと深く掘り下げて練習することや系統立てた臨書、或いは倣書をしてください。

*倣書-書道史上の古典をベースにした作品制作(書道の作品は厳密には倣書作品のことを指します)

 

7.指定課題

 

■教室から指定した課題を学びます。1クール12回を更新してください。

 

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