[書道コース(基本)]

目次

 

1.基本コースの流れ

 

これから皆様に学んでいただく基本コースの概要です。まず、皆様にお尋ねします。「習字(書写)」と「書道」が同じものと捉えてはいませんか。「習字(書写)」は国語科の範囲で、文字を正しく整えて書くことが目的です。しかし、「書道」は芸術科の範囲となり、書の美しさ・表現を学ぶことが目的です。書道には長い歴史があり、その中で、何を学ぶかが重要です。基本コースでは、最も基本的な重要古典を中心に、その表現・書法を学んで頂きます。

 

*漢字の歴史は、楷書より行書の完成が先ですが、現代の我々が書道を習う場合、先に楷書から、基本となる書法や造形を学びます。

2.基本コース①漢字・楷書

 

■楷書コース(全8回)

 唐時代の四大家の楷書は書道をする上で最も重要な書法を学ぶことが出来ます。それぞれの特徴ある楷書を学びましょう。

■各楷書の特徴

 楷書は、中国唐時代に完成したといわれ、現在使われている楷書もこの時代の楷書がベースとなっています。それぞれ、書道における楷書の基本的な造形と筆使い(書法)を学ぶことが出来る最も重要な古典です。写真のように、一口に楷書といっても様々な表現があります。それぞれの特徴を味わいながら、しっかり書法を身につけて下さい。

 

「玄妙」人名・虞世南(ぐせいなん・558-638)(作品名・「孔子廟堂碑(こうしびょうどうひ)」より)

*学習のポイント<穏やかな楷書>

書法の第一歩です。立体的な線・筆使いを学びましょう。

「風景」人名・欧陽詢(おうようじゅん・557-641)(作品名・「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)」より)

*学習のポイント<端正な楷書>

背勢とは・線の工夫による空間処理の方法を学びましょう。

「無形」人名・褚遂良(ちょすいりょう596-658)(作品名・「雁塔聖教序(がんとうしょうきょうじょ)」より)

*学習のポイント<軽快な楷書>

蔵鋒とは・褚法とは・筆使いによる軽快な楷書を学びましょう。

「清光」人名・顔真卿(がんしんけい709-785)(作品名・「自書告身帖(じしょこくしんじょう)」より)

*学習のポイント<力強い楷書>

向勢とは・顔法とは・筆の弾力によって書かれた線を学びましょう。

*各課題の全体像です。およそ1000文字以上も書かれている中から、それぞれの特徴がよく表れている部分を学びます。

「孔子廟堂碑(こうしびょうどうひ)」
「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)」
「雁塔聖教序(がんとうしょうきょうじょ)」
「自書告身帖(じしょこくしんじょう)」

3.基本コース②漢字・行書

「基本コース①漢字・楷書」を終了された方は、漢字の行書を学習して頂きます。行書では、書道史上、最も重要な古典である王羲之の「蘭亭序」・空海の「風信帖」を臨書します。

 

■行書コース(全12回)

 ・王羲之は長い書道史上で最も重要な人物です。筆で文字を書くことの自然な美しさを味わいましょう。

 ・空海は日本でも能書家として知られていますが、日本書道史上で最も漢字をよくした重要な人物です。

■行書の特徴

行書は、一字中の線が繋がったり、省略されたりします。それぞれの特徴を味わいながら、行書の流れや筆使いをしっかり身につけて下さい。

 
この画像はパブリックドメインです

人名・王羲之(おうぎし307?-365?)(作品名・「蘭亭序(神龍半印本)」(らんていじょ(しんりゅうはんいんぼん)」より

*学習のポイント

文字を書く時の筆の自然な動きを意識して臨書しましょう。

半紙に四文字ずつ臨書します。基本的に課題通りに進めて頂きますが、ご自身で最後までどんどん練習する事をおすすめします。

この画像はパブリックドメインです

人名・空海(くうかい774-835)(作品名・「風信帖(ふうしんじょう)」(第一通)より

*学習のポイント

線の太細の変化を意識して臨書しましょう。

半紙に四文字ずつ臨書します。基本的に課題通りに進めて頂きますが、ご自身で最後までどんどん練習する事をおすすめします。

4.基本コース③漢字・仮名

「基本コース②漢字・行書」を終了された方は、仮名を学習して頂きます。

 

■仮名コース(全10回)

 仮名の基本運筆といろは・変体仮名を学んだ後、平安仮名を学びます。書道における仮名は、平安時代の仮名を指します。

 

■仮名の特徴

 仮名は日本独自の芸術で、平安時代に完成します。ここでは、平安時代の重要な古典を中心に、仮名の基本的な筆使いや文字を学びます。それぞれの特徴を味わいながら、流麗で繊細な仮名の表現をしっかり身につけて下さい。

 

「平仮名の単体」

「変体仮名」

「連綿の練習」

仮名の基本

*学習のポイント

仮名の基本的な線質や筆使いを学びます。

現在のひらがな46文字は、1900年に一音一字に統一されたものです。それ以前に使われていたひらがなを「変体仮名」といいます。

「蓬莱切」

「高野切第三種」

「高野切第一種」

作品名・蓬莱切(ほうらいぎれ)(伝・藤原行成(ふじわらのこうぜい))平安時代(11世紀中頃)

*学習のポイント

現在のひらがなに近い造形です。仮名の作者名は不明で、「伝」は「〜が書いたと伝えられている」という意味。

作品名・高野切(こうやぎれ)第三種(伝・紀貫之(きのつらゆき))平安時代(11世紀中頃)

*学習のポイント

字中や字間のつながりをよく見て、行の流れを意識して練習しましょう。

作品名・高野切(こうやぎれ)第一種(伝・紀貫之(きのつらゆき))平安時代(11世紀中頃)

*学習のポイント

全体の潤渇・線の太細をよく見て、筆使いに注意して練習しましょう。

​*仮名作品の写真は「書道1 高等学校芸術科用2 東京書籍 平成25年発行分」より転載。教室ではテキストの図版のみ参考資料として使用しています。コースの進め方・内容はテキストとは関係ありません。

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